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小説「イメージ」No:10

No:10

 福賀はパーラー・ラ・メールに11時20分に着いた。
ここは選び抜かれたフルーツを提供する店として人気がある。
店内はお洒落な女性達で賑わっている。
日曜日だからラフな服装が多い。
福賀が店の2階に上がって行くと趣味のいいスーツを着た紳士が立ち上がった。
(遅かったか?)ナキカの父親だと直ぐ解った。
「遅くなりました」
「いや、私が早すぎとのです」
名刺を出された。
福賀も用意して来た日本広告アート協会会員の名刺を渡す。
「どうぞ」
「失礼します」
「ナミカが福賀さんとお付き合いをしていただいているそうでお世話になります」
「此方こそナミカさんと出会えて幸いでした」
「有難うございます。色々今の時期福賀さん大変でしょう」
「先輩を通して問い合わせが来ていることは事実です」
「失礼ですが、どの位の件数ですか?」
「23件いただいています」
「そうでしtか。そうでしょう。それで今のお考えは?」
「実は昨日ナミカさんがちらっと父は雪月花石鹸の社長をしていると云つていたので・・・」
「ナミカが云ってくれましたか」
「はい」
「もうお解りだと思いますが、どんな条件でも構いません。是非我が社にお出でいただきたい」
「此処で其の話をするのは適当絵はないと思って書いて来ました」
当然だが月下が福賀に会いたい内容は解っていた。
ナミカに月下の事を聞いた時点で雪月花石鹸に行くことになるだろうと思っていた。
そして福賀が出した入社条件は・・・
1・入社目に社名を株式会社雪月花に変更する
2・入社前に化粧品部門を創設する
3・化粧品開発プロジェクトを準備する
4・社名変更新聞広告見開き(2ページ)に化粧品部門新設と私の紹介を載せる
5・私を化粧品部・部長として入社させる
6・化粧品に関係した部署のトータルマネージャ^とする
7・社内外を問わず自由に活動出来る
以上です。

「これが条件です」
「結構です。で契約金とか給料とかは?」
「それに条件はありません。条件は思い切り働ける為に必要なものです」
「解りました。有難うございます」
「よろしくお願いいたします」
「此方こそよろしくお願いいたします。助かりました。福賀さんにうちに来ていただけるなんて
もう社として社長として最高の喜びです」
「我儘な条件を出しましたが僕の培って来た能力を十分に活かす為にはどうしても必要な条件でした」
「解ります。充分納得のいく条件で理解できます」
「それから内々の事ですがナミカさんと知り合いであることは当分伏せておいてください」
「そうですね。あの新聞記事を見て私の知り合いのコネを使ってお願いした事にしましょう」
二人は改めて握手を交わして外に出た。
「準備は色々大変だと思いますので入社前でも関わらせていtだきます」
「そうですか。新しい事ですから手伝っていただけると助かります」
「それと、これは極秘に進められなければならないので・・・」
「その辺が難しいですね。其の事は道々はなしましょう。ちょっと過ぎましたが食事に行きましょう」

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 つづく

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